Sarde a Beccafico
Palermitano.
パレルモ風鰯のベッカフィーコ。
per10porzione 10個分
1〜1.1k sarde 鰯 丸で1〜1.1キロ
→circa500g filetto di sarde 鰯のフィレ
100g pane grattato パン粉
40g olio d'oliva オリーヴオイル
20g pinoli 松の実
30g uvetta レーズン
2g aglio trittato にんにくみじん切り
q.b prezzemolo fresco イタリアンパセリ
q.b origano 乾燥オレガノ
1 arancia オレンジ
(120g spremuta d'arancia)オレンジの絞り汁
ーーー
1/2 arancia オレンジ
10foglie alloro ローリエ10枚
pane grattugiato パン粉
olio d'oliva オリーヴオイル
①今回の鰯は1匹100gを10本使用
鰯をフィレに掃除する。
鱗を手で取って、
頭と腹の部分を調理バサミでカットし、内蔵を洗う。
尾びれを残して、背びれは取り手開きする。
腹の当たりを包丁で綺麗にする。
②レーズンはぬるま湯で戻す。
シチリアのpassolinaという小粒のレーズンであればあえて戻さなくてもOK
③詰め物の全ての材料をボールでまぜる
④鰯を並べて腹側に軽く塩、胡椒。
材料を混ぜたパン粉を乗せて、くるっと巻く。
⑤テラコッタにオリーヴオイルを塗って鰯を並べる。
上からも塩、胡椒。
スライスしたオレンジ、ローリエをはさみ、上からパン粉とオリーヴオイルを振り、
200℃で15分。
(テラコッタに隙間なく詰めれば、楊枝などで留める必要はないです。)
☆ ☆ ☆ ☆
この鰯のベッカフィーコもシチリアを代表する料理です。
実は色々なタイプがあるのですが、まずはこのパレルモ風からが良いと思います。
まずはこの料理は庶民の知恵から生まれた料理だと言えます。
生まれた時代はハッキリと分かりませんが、材料的に見れば中世アラブ時代以降となります。
ただ料理が生まれたエピソードなども考えると1700代半ば〜1800年代ぐらいではないかと推測します。
ここは個人的な推測ですので悪しからず。。
beccaficoという料理名はイチジクが好物の小さな鳥(日本名ニワムシクイ)の名前から付けられています。
イタリア語のbeccareベッカーレ(くちばしでつつく)と
ficoフィーコ(イチジク)が合わさって付けられた名前ですね。
かつて裕福な貴族はこの鳥などの狩猟をして楽しみ、それを食べていましたが、
庶民には当然食べることはできません。
そこでくるっと巻いて尾びれがピンと立ち、まるまるとした鰯を
イチジクを食べてまるまると太ったベッカフィーコに見立てて作ったのが始まりと言われています。
しかし、これも小鳥に見立てて鰯で代用してつくったのか、
先にそういう料理があって後からこの名が付けられたのかは定かではありません。。。
いずれにしても、このベッカフィーコという鰯の料理が今日、シチリアを代表する料理の1つであることは間違いありません。