Caponata di melanzane.
シチリア風 茄子のカポナータ
1K melanzane 米茄子
q.b olio di girasole 揚げ用 ヒマワリ油
60g olio d\'oliva オリーヴオイル
3spicchi aglio にんにく3片
200g sedano セロリ
300g cipolla 玉葱
20g capperi all\'aceto 酢漬けのケッパー
40g pinoli 松の実
1/2p basilico バジリコ
60g olive verde カステルヴェトラーノのグリーンオリーヴ
80g zucchero グラニュー糖
100g aceto rosso di vino 赤ワインビネガー
400g polpa di pomodori トマト缶
q.b sale トラーパニの塩
①米茄子は1.2㎝の角切りにし、全体に塩をまぶした後、水に浸してアクを抜く 約30分
②フライパンにオリーヴオイル、ニンニクを入れ弱火で軽く色付ける
③そこにセロリ、玉葱を加えて加熱する
④酢漬けケッパー、グリーンオリーヴ、松の実バジリコを加える
⑤軽く塩をして、
全体が軽く色付くまで炒めたら、
グラニュー糖、赤ワインビネガー、トマト缶を加えて加熱し詰める
⑥米茄子の水気をよく切り、
200〜210°c位の高温のひまわり油で揚げる
⑦揚げた米茄子に塩をする
⑧揚げた米茄子を⑤に加えて和える。米茄子が崩れるので、ここから加熱し過ぎない
⑨味をみて、必要なら塩、砂糖、ビネガーで調味し仕上げる。
ポイントはしっかり甘酸っぱくなっている事
☆個人的茄子のカポナータ考察
材料は茄子、セロリ、玉ねぎ、トマト、にんにく、バジリコ、松の実、ケッパー、オリーヴ、オリーヴオイル、それに砂糖と赤ワインビネガー。
シチリア風カポナータとしては王道中の王道のレシピです。
大事なのはアグロドルチェ(甘酸っぱい)に仕上げること。
よく間違えられるのは、
フランスのラタトゥイユはシチリアでカポナータ、というやつ。
これは明確に違います。
作り方も材料も味付けのポイントも仕上がりも全然違います。
ただ、
ややこしいのは
シチリア以外のイタリア(サルデーニャに関しては謎)でカポナータと呼んでいる料理は茄子、トマト、パプリカ、ズッキーニなどの野菜の軽いトマト煮で、
これに関してはほぼラタトゥイユやん。
て、感じなんです。
イタリアに住んでた時、違いが知りたくて質問したけど、フリウリ出身のシェフからは納得のいく答えを得られなかったし、
ピエモンテ出身でフランス修行したシェフも困りながら「難しい。ほとんど一緒、、、」って言ってたし、
南イタリアの料理研究家ダニエラ オージックさんのカポナータも野菜のごった煮でした。
ただ、
イタリアの郷土料理書を開いてみると、
シチリア以外でカポナータという料理は出てきません。(似たようなのは南イタリアのチャンボッタ、チャンモッタ)
これはつまり、シチリア以外のイタリアで一般的なカポナータという料理はどこかの郷土料理、伝統料理ではないと考える方が自然です。
ということで、僕の今現在行き着いている答えとしてはシチリアのカポナータとシチリア以外のイタリアのカポナータは名前は同じだけど、別モノ。
で、シチリア以外のイタリアのカポナータとフランスのラタトゥイユは名前は違うけどほぼ同じようなもの。
という感じですね。
プチ情報ですが、
イタリアのパスタ王、巨匠ブォナッシージによると、南フランスのラタトゥイユと南イタリアのチャンボッタは深い関わりがある、と著書の中で語っています。
イタリア料理、奥が深いですね、、。
さて、このカポナータという料理の起源ですが、実のところ定かではありません。
諸説ありますが、ここではシチリア料理のバイブル profumo di siciliaの記述をベースにしたいと思います。
カポナータの語源は古代ラテン語のcaupo(居酒屋 taverna)からきており、もともとtavernaで客にさっと出していた料理です。
caupo→caupona→caponataということですね。
しかし、この料理の起源はtavernaではありません。
元々は裕福な貴族料理で魚(その当時は主にタコであったらしい)と茄子、アーティチョーク、セロリ、松の実、レーズン、その他野菜、更に洋梨のスライスを組み合わせて作られていました。
しかし、庶民には魚は高価で手に入れることができないので、それ以外の野菜で作ったものが庶民に広がっていった、ということですね。
現在、カポナータと言えば茄子のカポナータが主流ではありますが、
シチリアにはアーティチョークのカポナータもあり、その起源はここにあることがわかりますね。
そう言えば、現在のカポナータには必ず入っているトマトの記述がありません!!
そうなのです、その頃はまだトマトは無かったのです。
コロンブスがアメリカ大陸を発見したのが、1492年。
トマトがイタリアに初めて入ってきたのが1500年代中頃。
しばらくは貴族の鑑賞用植物とされ、
食用とされたのが1700年頃から。
つまり、現在のカポナータが出来上がったのはそれ以降ということですね〜〜。
さてさて、更に余談ですがコロンブスはアメリカ大陸発見当初、そこが新大陸だとは気づかずインドだと思っていました。
アメリカ大陸が新大陸だと"発見"したのはこれまたイタリアの地理学者アメリゴ・ヴェスプッチです。
どちらもイタリア人であるというところがイタリア料理人としては誇らしいところですね。
p.s
僕がシチリアのカポナータを削ぎ落として、削ぎ落として最低限の材料で作るとしたら、残る材料は
茄子、セロリ、砂糖、ビネガー、オリーヴオイルの5つの材料ですね。
こう見てみると、ラタトゥイユや一般的なカポナータとの違いが分かりやすいかもしれません。