Falsu magru
Falso magro.
シチリアの肉料理は
焼くだけ、煮るだけといった
シンプルなものが多い中、このファルソマーグロは複雑な構成です。
本来は牛肉、又は仔牛肉を板状にのばして、
(カターニアは牛肉、パレルモなどそれ以外は仔牛。という情報もありますが、ハッキリ分かりません)
中にゆで卵やハム、ミンチ肉、サルシッチャ、チーズなどをロール巻きにしてトマトで煮込みます。
Falsomagro ファルソマーグロという名前の由来は
直訳するとFalso(偽りの、嘘の)
magro(ヘルシーなもの、脂の無いもの、痩せたもの)という意味です。
つまり、見た目は脂身のない赤身の肉だけど、
実際にはサルシッチャやハムやチーズのカロリー
いっぱいの料理。
ということになります。
でもでも、
本来は野菜の入っていた料理で、
13世紀ごろ、フランス アンジュー家がシチリアを支配していた頃にもたらされた貴族階級の料理である
Farce Migre ファルス ミーグル(野菜の詰め物料理)
Farce =ファルス 詰め物料理
Migre =ミーグル 脂身のない、ヘルシーな、野菜の。
が訛ってシチリア方言の
Falsumagru ファルス マーグルになり、
その際フランスのFarce ファルス (詰め物料理)が、
シチリア方言のFalsu ファルス ( 嘘の、偽りの)
に変わり、
元々のヘルシーな詰め物料理が、
嘘のヘルシー料理(実際にはカロリーたっぷり)
に、
つまり全く逆の意味の料理に
変わってしまったそうです!!
ほんとのところは
この言葉の間違いが先か、後付けかは分かりません。
もし、このファルスマーグルが13世紀頃にシチリアで誕生したとしたら、
当時はトマトで煮込んで無かったということになります。
トマトがイタリアに入ってきたのは15世紀の終わり頃だからです。
そういう歴史を一つ一つ見ていくと、
色々な事が見えてきたり、
逆に疑問が生まれたりします。
フランスの貴族料理が華開いたのはフィレンツェのメディチ家の宮廷料理人をカトリーヌが連れて行ってからです。
となると、
シチリアに影響を与えたフランスの料理はまだフランス料理が華開く前ということになるのか、、、
まだまだ分からない事が多いですね〜。
余談ですが、
このFalsoファルソという言葉、
少し前のサッカーでも良く使われていました。
Falso nove 偽りの9番
本来、サッカーでは9番の選手は典型的なセンターフォワード。バンバン点を取るポジションですね。
ところが、このFalso noveと言われる偽り9番の選手はセンターフォワードの位置に居ながら、
前線で起点となってサイドの選手や2列目の選手にも点を取らせるような動きをする役割ですね。
昔、スパレッティ時代のローマのトッティのゼロトップシステムもトッティが偽9番の役割でしたね。背番号は10番でしたが。
ホント余談でした。
Forza ITALIA‼️
Forza AZZURRI‼️